
写真提供:ロックフェラー財団
住民へのサービス充実に向けた都市支援
AI による都市の不可欠な公共サービスの改善を支える組織に助成する、ロックフェラー財団との総額 5,000 万ドルの共同事業
人々が日々頼りにしているサービスの多くは、都市の行政が提供しています。自治体は、医療や給付の利用、異常気象への備え、経済的な機会の確保、地域の未来を左右する意思決定への参加を支援しています。
都市の行政には、限られた資源でより多くの役割を果たすことが求められています。AI ソリューションは、公的機関が問題をより早く予測し、情報を入手しやすくし、行政職員により優れた業務ツールを提供するうえで役立ちます。その可能性をサービスの改善につなげるには、地域への深い理解、技術的な知識、必要な資源を備えた組織が都市の行政と協力し、何が有効かを検証しながら、成功した手法を責任ある形で広げていく必要があります。
本日、OpenAI Foundation とロックフェラー財団は、Cities Deliver:公共サービスのための AI ソリューションを立ち上げます。総額 5,000 万ドルのこの取り組みは、都市の行政と協力し、AI を活用して住民が直面する課題に取り組む組織を支援します。
Cities Deliver は世界規模の公募を通じて、24 か月間で 50 万〜200 万ドルの助成金を提供します。この取り組みは、助成先の組織を通じて、世界の都市住民の最大 1 億人に支援を届けることを目指しています。
都市が解決を目指す課題を出発点に
Cities Deliver では、地域の優先課題に根ざし、フロンティア AI ツールの最新の能力を活用して公共サービスの提供を改善するプロジェクトを募集しています。
公募では、次の 4 つの分野に重点を置きます。
公衆衛生:現場での医療、疾病の発生動向の監視、障害者支援、食料の入手、栄養など、公衆衛生システムが支援を届けられる範囲の拡大と対応体制の強化
経済状況の向上:給付の申請支援、キャリア相談、スキルに基づく採用、雇用主のニーズに合った研修などを通じた、失業中や十分な就労機会を得られていない住民の収入・スキル・給付へのアクセス支援
環境変化への強靱性:公共の安全、緊急対応、エネルギーインフラ、土地管理などを通じた、環境による危機の予測、被害への耐性強化、復旧に向けた都市支援
市民参加:双方向のサービス窓口から住民参加型の意思決定まで、都市の行政による住民への積極的な働きかけと迅速な対応を支えるソリューション。デジタルサービスの利用や通信環境、裁判所のサービス、許認可や規制に関する手続きも対象です。投票や選挙に関するプロジェクトは対象外です。
Cities Deliver は、フロンティア AI と、都市ですでに活用されている実用的なツールやシステムを組み合わせるプロジェクトを歓迎します。応募者は、ニーズに最も適した AI モデルや製品を選択できます。OpenAI の技術の使用は必須ではなく、使用によって優遇されることもありません。Cities Deliver が求めているのは、支援対象の地域を深く理解し、行政の現場に技術を導入する能力を持ち、評価、プライバシー、セキュリティ、長期的な持続可能性について明確な計画を備えたチームです。
Cities Deliver は、2 つの段階のプロジェクトを支援します。シード助成では、50 万ドル以上 100 万ドル未満を提供し、都市のパートナーと構想を練り上げ、実際の利用者とともに試作品を開発・検証し、都市の現場でソリューションを試験導入する組織を支援します。規模拡大助成では、すでに都市で試験導入され、初期の成果を上げたソリューションに 100 万〜200 万ドルを提供し、より多くの住民への提供や、他の都市への展開を支援します。
すべてのプロジェクトは、応募資格を持つ組織が主導し、慈善目的に資するものでなければなりません。応募対象には、非営利団体、公益目的会社、および一定の要件を満たす営利組織が含まれます。各プロジェクトは、地域に成果と好影響をもたらすことに尽力する都市の行政をパートナーとして、事業を実施する必要があります。都市の行政が直接応募することはできません。応募資格の詳細は、本取り組みのウェブサイトをご覧ください。
都市が蓄積してきた知見の活用
この活動は、ロックフェラー財団と OpenAI が 2023 年に始めた取り組みに端を発しています。当時、両組織は 6 大陸から 40 人以上の地域社会のリーダーを集め、AI による都市サービス改善の可能性を探りました。
その対話から、コロンビアのカリ、南アフリカのケープタウン、ブラジルのリオデジャネイロで初期のプロジェクトが生まれました。カリでは、Dengue.AI が感染症の流行を予測し、公衆衛生の担当者が予防活動の重点対象を絞り込めるよう支援しています。ケープタウンでは、AI 搭載のメッセージングプラットフォームが、住民と自治体のやり取りを支えています。リオでは、WhatsApp チャットボットが、洪水警報や住民からの報告を市の緊急対応システムにつないでいます。
Cities Deliver は、こうした初期のプロジェクトを土台に、有望な手法を見いだして住民や行政職員とともに検証し、成果の上がったソリューションを既存の都市サービスやシステムに組み込む方法を探ります。
AI の恩恵の拡大
OpenAI Foundation の使命は、汎用人工知能が全人類に恩恵をもたらすようにすることです。私たちの市民社会・フィランソロピープログラムは、地域社会が今から広く AI の恩恵を受けられるよう支援することで、この使命を実践しています。
Cities Deliver は、命を救う医療の進歩をすべての人に届ける取り組み、小規模農家にAI を活用した気象や作物の病害の予測を提供する取り組み、そして有用な AI ツールをできる限り多くの言語で利用可能にする取り組みを土台としています。また、非営利団体が AI を地域社会の支援にどう活用できるかを探る活動を支える、People-First AI Fund の取り組みも土台としています。Cities Deliver を通じて、私たちはこうした活動を、住民が毎日頼りにする不可欠な公共サービスへと広げていきます。これらの取り組み全体を通じて、私たちは AI の進歩と、課題に最も近い現場で活動する組織の専門知識を結び付け、新たな能力を人々の具体的な利益へとつなげています。
Cities Deliver への応募を現在受け付けています。提案書(短い動画を含む)の提出期限は 2026 年 11 月 29 日です。こちらからご応募ください。